自由なフローこそ成長促進 ノーベル経済学賞教授が見る米中摩擦 (1/2ページ)

米カリフォルニア州サンフランシスコで行われたイベントで講演するニューヨーク大学のポール・ローマー教授=2018年11月1日(ブルームバーグ)
米カリフォルニア州サンフランシスコで行われたイベントで講演するニューヨーク大学のポール・ローマー教授=2018年11月1日(ブルームバーグ)【拡大】

 2018年のノーベル経済学賞を共同受賞したポール・ローマー米ニューヨーク大学教授は12月17日にブルームバーグ・テレビのインタビューに応じ、「成長を促す最善の策はアイデアの自由なフロー(流れ)だ」と強調し、米中貿易戦争がその妨げになるリスクについて警鐘を鳴らした。

 ローマー教授は貿易戦争には性質を異にする保護主義的なリスクがあると述べ、一例として、人工知能(AI)など先端技術の分野でワシントンと北京が覇権争いを繰り広げていることを挙げた。

 模倣は米も歩んだ道

 同教授は、経済の急成長を可能にする技術の進歩は偶然、天から降ってくるようなものではなく、むしろ技術革新が経済成長を内側から促すことを示す「内生的成長理論」を確立した。インタビューでは、経済成長にとって決定的な役割を果たす「(アイデアや)知識が既に存在するのであれば、それを活用することが皆にとって有益だ」との持論を展開した。

 米国は、貿易摩擦は中国が知的財産権を軽視しているからだとの立場を取っている。トランプ米政権は、米国のアイデアを盗んで将来の主要先端技術分野で優位に立つという野望を追求する中国を非難してきた。

 仮にそうしたことを中国がやっているとしても、米国が歩んできた道に倣っているにすぎないと同教授はみている。19世紀に米国が工業国として台頭した際、英国は米国に同様の批判を展開した。同教授は「追いつくための手段として、模倣といった類いには先例がある」と指摘する。

 同教授は昨年12月にノーベル賞の授賞式でスピーチを行った際、有益な発見を発展させる最善の環境はそうした発見を容易に共有できる社会だと述べた。

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