【データで読む】台湾 低迷続く中国人観光客数 3分の2に減少

台湾・台北の夜市を散策する中国人観光客ら(ブルームバーグ)
台湾・台北の夜市を散策する中国人観光客ら(ブルームバーグ)【拡大】

 台湾で、中国人観光客が低迷している。旅行収支をみると、2015年以降赤字の拡大が続いており、この背景には、台湾人の海外旅行の増加もあって支払いが増加しているほか、旅行収支受取がこのところ伸び悩んでいることがある。

 台湾を訪れる中国人観光客数は、08年に対中融和路線を進める当時の国民党・馬英九政権が中国人観光客の受け入れを解禁したことで急増し、15年には07年の約7.6倍にまで増加した。しかし、16年に台湾独立を掲げる民主進歩党・蔡英文政権が発足すると、中国人観光客は3分の2に減少し、足元でも低迷が続いている。東南アジア諸国に対する観光ビザを免除するほか、日本の観光客誘致に力を入れたことで、中国以外の観光客は増加しているものの、全体の4割を占める中国人の回復が鈍いことが、旅行収支受取の伸び悩みにつながっている。

 次期総統選の前哨戦として昨年11月24日に実施された統一地方選挙では、与党・民主進歩党が大敗し、首長ポストを13から6に減らした。この背景の一つに、中国人観光客の低迷により、観光業の比重が大きい台湾東部や農村地帯で蔡政権への反発が強まったことが指摘されている。台湾政府は中国人の訪台条件緩和などを検討しているが、中国の景気や中国政府の対台湾政策にも影響されるため、先行きの中国人観光客がどの程度増加するかは不透明であり、20年の次期総統選挙にも影響する可能性が高い。(編集協力=日本政策投資銀行)