攻めへの転換期 BYD、22年末までに電池事業を上場へ

BYDの創業者で会長の王伝福氏(ブルームバーグ)
BYDの創業者で会長の王伝福氏(ブルームバーグ)【拡大】

 米著名投資家、ウォーレン・バフェット氏が出資する中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)が、2022年末までに電池事業を上場させる計画を明らかにした。世界の自動車業界で従来型内燃エンジンからの移行が進む中、事業拡大に向けた資金を確保する。

 BYDの王伝福会長は18年12月、ブルームバーグ・ニュースのインタビューに答え、上場先は決めていないと語った。車載用や携帯電話用の電池を生産するBYDは、上場前に車載用電池事業を分離独立させる計画だ。新規株式公開(IPO)が車載用電池事業単独になるか、他の部門も含めたものになるかは明らかにされていない。

 電池は、自動車業界にここ100年以上で最大の波乱を引き起こしているEV革命の中核的要素として浮上している。EV用電池メーカー世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は、18年6月に中国の深セン証券取引所に上場して8億ドル(約880億円)超を調達した後、時価総額を3倍以上に増やした。BYDとCATLは中国の主要EV用電池メーカーで、米EV大手テスラに電池を供給するパナソニックやLG化学のライバルとして頭角を現している。

 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによると、18年は家電よりもEVに搭載される蓄電池量の方が多くなったとみられ、自動車メーカーからの需要急増を受け、リチウムイオン電池事業は転換期を迎えている。米投資顧問会社サンフォード・C・バーンスタインは、EVや電気バス、関連するエネルギー貯蓄装置などに使われる電池の市場は50年までに5000億ドル規模へと、約10倍に拡大すると見込む。

 BYDの創業者である王伝福氏は、中国の陸上交通は30年までに完全に電化されるだろうと話す。同氏は先頃、20年までにバス、21年までにタクシー、25年までに物流車両、30年までに自家用車を完全に電化するよう政府に提言した。実現すれば、中国は電池生産能力を約10倍の年間1000ギガワット時に拡大する必要があると王氏は見ている。

 BYD電池事業のマイケル・ヒー副社長によれば、自社EV用の電池を自給している同社は、17年から他の自動車メーカーとの契約に向けた交渉も開始した。さらに、欧州や米国で車載用電池工場の建設計画を進めているという。

 関係者によると、同社はカナダのモントリオールでタクシーとして使われるEV2000台の受注を獲得する見込み。実現すれば、最初の600台を19年に納品し、3年かけて完納することになるという。(ブルームバーグ Matthew Campbell、Tian Ying)