【高論卓説】19年の株式相場、制御不能も覚悟 実需買い少なく超短期取引が翻弄 (1/2ページ)

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 株式相場の戻りが鈍い。週明け21日の日経平均は米国のダウ工業株30種平均が前週末に336ドル高と大幅に上げ、円相場が1ドル=109円台の円安に振れる支援材料があったにもかかわらず、53円高の2万719円と小幅続伸で引けた。午前中には一時220円余り上げる局面もあったが、引けにかけて伸び悩んだ。商いも低調で東証第1部の売買代金は2兆円に届かなかった。22日の日経平均は反落した。

 相場の戻りが鈍いのも無理はない。売買の主役の外国人投資家が売り越しを続けているからだ。外国人投資家の東証第1部の売買シェア(代金ベース)は2018年で74%。18年には日本株(現物)を売り買い差し引きで5兆3900億円余り売り越した。リーマン・ショックで世界的な金融危機に直撃された08年の売越額約3兆7000億円を上回る。19年に入っても売り越しは止まらない。大発会の1月4日に2000億円余り、1月第2週も2861億円それぞれ売り越した。

 外国人投資家に次ぐ売買シェアの個人投資家も戻り待ちの売り姿勢で臨む。昨年12月、ソフトバンクグーループの国内通信会社ソフトバンクが上場した。市場から吸収した資金は約2兆6000億円。うち約80%が個人投資家の取得による。ソフトバンクの個人株主は延べ約90万人になったという。しかし、株価は上場後1カ月たっても公開価格1500円を超えたことが一度もない。個人は含み損を抱え、投資心理は萎縮したままだ。

 外国人・個人投資家の実需買いが入らない中、市場で存在感を高めているのが「HFT」と呼ばれる高速取引業者である。デジタル技術を駆使し、ミリ秒単位で頻繁に売買を繰り返して細かく利ざやを稼ぐ業者だ。大量、広範なデータの解析・分析に基づいたり、相場の上下方向のモメンタム(勢い)に乗ったりして超短期の売買を繰り返す。業績動向が無視されることもある。相場は無機質に形成され、時に一方向に偏って乱高下する。

 相場の先高期待が高まらないのは懸念材料が山積しているからでもある。中国の18年の国内総生産(GDP)の成長率は6.6%と、28年ぶりの低水準となった。経済協力開発機構(OECD)の予測によると、中国のGDP成長率は19年に6.3%、20年に6.0%へ減速する。市場は世界景気の減速への懸念を強める。米国では国境の壁の建設をめぐるトランプ大統領と民主党の亀裂が深まり、政府機関の閉鎖期間は最長になった。

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