国土地理院、衛星で地図の位置ずれ補正 自動運転トラブル防止に (1/2ページ)


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 地球を覆うプレートの動きで変形し続ける日本列島の現状と、過去の一時期の姿で固定された地図とのずれが無視できなくなったとして、国土地理院は29日までに、人工衛星から得た現在の位置情報を補正し、地図上に正しく表示させるシステムの開発に乗り出した。高精度の衛星情報と地図を照合しながら走る自動運転車などのトラブルをなくすためで、2年後の実用化を目指す。

 位置情報は米国のGPS(衛星利用測位システム)に頼っていた。2018年11月に日本版GPSを担う衛星「みちびき」が本格稼働し、誤差は10メートル程度から最小で数センチほどに向上。自動運転での運送や農作業、小型無人機ドローンによる荷物配達などへの利用が期待される。

 国土地理院が作る地図は「基本図」と呼ばれ、さまざまな分野で利用されるが、膨大な費用と手間がかかり頻繁な更新は難しい。東北、関東甲信越、北陸は11年の東日本大震災後に修正し、他の地域は1997年のデータを使い、大きな地震の後に限って更新している。

 一方、日本列島は地球を覆うプレートの動きに伴って移動し場所によって地図から数十センチ~2メートルずれている。高精度になった衛星情報を活用するには無視できない。自動運転車が車線を外れたり、ドローンが荷物を隣家に届けたりするトラブルが懸念される。

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