【論風】減速局面に入る世界経済 円高ドル安基調に転換へ (1/3ページ)

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 2018年は世界経済全体は前年同様3.7%の成長を達成したと予測されている。特に先進国は米国経済の好調もあって2.4%と順調に景気回復を続けている(17年2.3%、16年1.7%)。ただ、米中貿易摩擦の継続、原油価格の下落などもあって、先進国経済は今後、減速すると予測されている。(青山学院大学特別招聘教授・榊原英資)

 国際通貨基金(IMF)の予測(18年10月の世界経済見通し)によると19年の先進国の成長率は2.1%と18年に比べ0.3%低下するとされている。好調に展開してきた米国経済が19年は減速(18年の2.9%から2.5%へ)。ユーロ圏(2.0%から1.9%)も、日本(1.1%から0.9%)も成長率が低下する。

 1ドル=100円うかがう展開も

 利上げを続けてきた、米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)も19年の利上げの回数を年2回の見通しとしてきたが、世界的な株安を受けて引き締めを一時停止する可能性を示唆したのだった(18年は4回の利上げを実施している)。FRBは15年末から追加利上げを続けてきたが、その路線が転機を迎えつつあるということなのだ。

 米国経済が減速し、利上げ回数を減らすとなると、従来のドル高円安から、ドル安円高に転換する可能性が高い。

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