デジタル音楽転売 米控訴審も認めず (1/2ページ)

ヘッドホンで音楽を聴く男性(ブルームバーグ)
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 米アップルの音楽配信サービス「iTunes(アイチューンズ)」などでデジタル音楽ファイルを購入した人は、仮想市場でそれらを転売することはできないとの判決が昨年12月、米控訴審で下された。

 判決は、再販は著作権所有者の権利を侵害するとの地方裁判所の判決を支持するもの。控訴審では、デジタル音楽ファイルを中古音楽アルバムのように転売する目的で作られた仮想市場は、著作権法に抵触するとの判断が下され、レコード会社側の勝利となった。

作品の複製と判断

 合法的に購入した音楽ファイルを転売するためのプラットフォームを運営する新興企業「ReDigi(リディジ)」は、同社のサービスはオリジナル版を複製することなく音楽ファイルを売り手から買い手へ転送するものだと主張していた。

 控訴裁判所は、転送時に音楽ファイルの複製が生まれており、同社の手法は米国の法律下では許されないと判断。デジタルファイルの中古販売に関するルール作りは議会の仕事だとした。裁判を担当したピエール・レバル巡回裁判所判事は「リディジが設立した再販市場は、著作権所有者などを犠牲にして、デジタル音楽の購入者などに恩恵を与えるものだ」との見解を示した。

 リディジの主張を支持する米国図書館協会の代理人を務めたジョナサン・バンド弁護士によれば、合法的に購入したデジタル音楽ファイルを転売したい個人への影響範囲は不明。「個人が公正使用のために販売することが許される可能性はまだ残っている」という。

 訴えを起こしたキャピトル・レコードの親会社で、仏メディア企業ビベンディ傘下のユニバーサル・ミュージックの広報担当者は「リディジが単なる著作権侵害者にすぎないとの下級裁判所の判決を控訴審が支持したことをうれしく思う」との声明を発表した。

 デジタル音楽の所有者がピアツーピア取引(個人間などで行われる小規模取引)を通じて作品を流通させることを禁じる判決は、既に複数の裁判所で出されている。リディジは、合法的に音楽を購入した人が当該音楽ファイルを転売することができ、元ファイルは永久に消去される仕組みの市場を作り、禁止範囲の外側で取引を行いたいと考えていた。同社のサービスでは、新たな所有者へ転送するためのファイルが複製されると、管理者が元の所有者のコンピューターを確認し、複製ファイルの消去を指示。従わない場合は、アカウントの使用を停止する仕組みになっていた。

公正使用該当せず