IPO調達、最大の2.8兆円 18年日本市場 「ソフトバンク」牽引

ソフトバンク本社の受付に掲げられた同社のロゴ(ブルームバーグ)
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 2018年の日本の新規株式公開(IPO)引き受け業務は、ソフトバンクの超大型案件が牽引(けんいん)し、調達総額は過去最大となった。野村ホールディングス(HD)が6年連続で首位を守ったほか、SBIホールディングス(HD)がオンライン証券で唯一のトップ10入りを果たすなど、大手証券に匹敵する躍進を見せた。ブルームバーグのIPO引き受けデータ(不動産投資信託を除く)によると、調達総額は約2兆8885億円に達し、件数は92件と2年連続で増加した。

上位6社全て主幹事

 主幹事ランキングトップになったのは発行額シェア18%(24件)の野村HD。野村証券公開引受部の中丸達也次長はブルームバーグ・ニュースの取材に応じ、「顧客との信頼関係を地道に築いてきた努力が実を結んだ結果だ」と話し、19年は前年実績への上乗せを目指すとした。

 シェア10%以上となったのは、1位の野村、2位のみずほフィナンシャルグループ(FG)から6位のSBIHDまでの6社。全てソフトバンクの主幹事を務めた。ソフトバンクは12月に東京証券取引所1部に新規上場(IPO)を実施。調達額は過去最大だった。

 6位のSBIHDのシェアは前年(1.1%)の10倍超の13%、件数は11件と7位のJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ(BOA)のシェア1.2%、件数2件に大きな差を付け、一気に存在感を示した。SBIHDは05年に引き受け業務に参入し、これまでのシェア最大は16年の2.3%だった。

個人向け販売力強み

 SBI証券の守田和盛常務は「相場環境の悪い時も取り組み続けてきた。まさに『継続は力なり』だと思っている」とコメント。ソフトバンク主幹事団入りについては「機関投資家向けであれば当社ではなかったかもしれないが、今回は先方に個人投資家に幅広く株を持ってほしい意向があったと聞いている」とし、同社の販売力が評価されたとの見方を示した。

 守田氏は「大型案件の主幹事にはなかなか入れなかっただけに、ソフトバンクを取れたことは大きい」とし、「リーグテーブルの案件数で15%を常時取れる体制を早期に確立したい」と意気込む。公開引受部の人員を現在の12人から1~2年で約20人に増やすとした。案件数首位の目安がシェア約30%で、その半分程度が目標となる。19年は、件数12~13件と前年からの上積みを期待しつつ、金額的には平常運転に戻るため単純計算で200億円程度になりそうだという。

 野村証の中丸氏によると、19年は案件数こそ18年と同水準を見込むものの、調達総額はソフトバンクによる大型調達があった反動で5000億~8000億円程度と前年比で大幅に減る可能性があるという。18年に引き続き、情報通信やサービス産業銘柄が多いとみている。(ブルームバーグ Takako Taniguchi、Takashi Nakamichi)