アプリで警告 大気汚染リアルタイム測定装置 仏企業が開発

仏プリュム・ラボの大気汚染測定装置「フロー」(ブルームバーグ)
仏プリュム・ラボの大気汚染測定装置「フロー」(ブルームバーグ)【拡大】

 英ロンドンの地下鉄内の空気が汚れていても驚きはしないが、仏パリのルーブル美術館の屋外ならどうだろう?

 隣接するチュイルリー公園の木々が空気を浄化しているはずだと考えても不思議はない。

 仏新興企業のプリュム・ラボが開発した「フロー」は、こうした思い込みを切り捨てる。高さ10センチほどのこの装置は、リアルタイムで大気汚染の度合いを測定し、その情報を低度~高度汚染の4段階で評価。スマートフォンのアプリを通じ、色分けした警告メッセージを表示する。

 ロンドンやパリなどの市長らは近年、大気汚染との戦いを宣言し、市民にきれいな空気とより健康的な環境をもたらすと約束した。車両乗り入れ禁止地区を設けたり、混雑緩和策を検討したりしている。有毒な大気汚染物質である二酸化窒素濃度は、中国の首都北京よりロンドン中心部の方が高い。

 プリュムは、都市内の大気汚染レベルは数百メートル離れるだけで10倍の差が出ることもあるため、より局地的な観測が必要だと主張する。室内でも、台所の使用の有無から洗浄製品、芳香剤の利用まで、空気の状態は住民の習慣に左右される。

 記者がハンドバッグにフローを入れて周囲の微粒子や有害ガスを測定して回ったところ、パリのエッフェル塔付近よりもロンドンのビッグベン近くの方が空気はきれいだということが分かった。

 プリュムの共同創設者で最高技術責任者のデービッド・リスミール氏は「誰もがきれいな空気を求めて田舎に引っ越せるわけではないため、都市の中でより良い空気を求める人々の需要に応える必要がある。最善の方法は、個々人のデータを得ることだ」と述べた。

 パリでは「エールパリフ」、ロンドンでは「ロンドンエアー」というウェブサイトが都市部近辺の観測所で集めたデータを公表しており、2018年は両市で複数の汚染物質の濃度が世界保健機関(WHO)や現地当局の推奨する水準を幾度となく上回ったことが分かっている。

 リスミール氏と共同創設者のロマン・ラコンブ氏が4年前に立ち上げたプリュムは、多くのデータを集めれば、よりクリーンな通勤ルートを提案したり、換気のために窓を開けるのに最適な時間を提案したりすることができるようになると話す。

 「人々に空気が悪いと知らせる以上のことをしたい。フローは行動を変え、悪い時間に悪い場所にいることを避けるためのものだ」とリスミール氏は述べた。フローの販売価格は欧州で179ユーロ(約2万2000円)。(ブルームバーグ Marie Mawad)