銀行以外の送金額1兆円突破 8年で80倍


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  • 未来投資会議で発言する安倍晋三首相(左手前から2人目)=13日午後、首相官邸(春名中撮影)

 送金サービスを手掛ける資金移動業者が1回当たりに扱える上限額(100万円)について、未来投資会議で緩和を検討するのは、金融とITを融合させたフィンテック企業などの台頭で、資金移動業者の取扱金額が平成29年度に1兆円を突破し、8年間で約80倍に急増していることが背景にある。事業者からも上限撤廃を求める声が上がっており、規制を見直すことでイノベーション(技術革新)を後押しするのが狙いだ。

 資金移動業は22年に施行された資金決済法で導入された制度。それまでは送金業務は銀行などの金融機関しかできなかったが、金融庁に登録すれば、1回当たり100万円を上限に送金業務が可能になった。「楽天ペイ」を手がける楽天や、LINE(ライン)の子会社も登録されている。

 スマートフォンの普及もあり、資金移動業者による送金は増加傾向にある。金融庁の調べでは、制度が導入された22年の取扱金額は約140億円程度だったが、29年度は約1兆880億円にまで拡大。登録事業者数も11社から58社へと増えた。

 しかし、100万円という上限規制があることで、企業間の本格的な取引や中古車の売買などには使えず、上限撤廃を求める声は利用者の間でも高まっている。ただ、上限規制はもともと利用者保護の観点などから設けられており、金融庁は上限の引き上げは、利便性の向上と安全性の両面から検討する必要があるとしている。

(蕎麦谷里志)