論風

揺れ動く世界の政治 国際協調体制の再建急務 (3/3ページ)

福川伸次

 第3は、主要国において民主主義の健全な運営を再構築できるかである。最近の主要国では特定の利益集団の主張に引きずられる傾向が強い。トランプ米大統領の保護主義傾向はその典型である。欧州の移民反対の動きもその表れである。主要国の政治が政権を維持するためのポピュリズム政治の傾向を強め、政治が一貫性を欠くようになっているのである。

 歴史の教訓生かせ

 日本では小選挙区比例代表制を導入してからポピュリズムの傾向が高まってきたという。仮にそうだとしても、それを改正するのは至難の業である。どの国でも同様である。そうだとすれば、国民の能力を高め、全体最適の途を選択する環境を高めるしかない。それには、政治教育の充実、ジャーナリズムの健全運営などが不可欠である。

 世界は、過去に世界的規模の戦争を経験したし、大不況に見舞われた。それは、いずれも政治判断の結果である。我々は、歴史の教訓を生かして健全で、賢明な民主主義体制を取り戻すことができるかが問われている。

【プロフィル】福川伸次

 ふくかわ・しんじ 東大法卒、1955年通商産業省(現経済産業省)入省。86年通産事務次官。88年退官後、神戸製鋼所副社長、副会長、電通総研社長兼研究所長を経て、2005年から機械産業記念事業財団会長、12年4月から現職。86歳。東京都出身。

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