【太陽の昇る国へ】「勤勉の精神」ベースに国づくりを 幸福実現党党首・釈量子

東京駅前を歩くサラリーマンら。労働時間を抑える方向で政策が進む
東京駅前を歩くサラリーマンら。労働時間を抑える方向で政策が進む【拡大】

 --4月に働き方改革関連法が施行されます

 日本経済の停滞が続く中、国全体の労働量が抑えられる方向で政策が進んでいることに対し、大きな不安を覚えています。国本来の実力の指標となる潜在成長率について、日本は1%を切った状態を続けていますが、団塊世代の離職によって労働量が低下していることが、要因の一つとなっています。働き方改革で労働時間に制約が課されることになると、ますます落ち込むことになります。

 日本経済がほぼ「ゼロ成長」を続ける中、2010年には中国に「名目GDP(国内総生産)世界第2位」の地位を奪われています。50年になると、インド、インドネシア、メキシコなどに追い抜かれ、日本は第7位に陥落するとの予測もあります。日本は自由・民主・信仰の概念を守り抜く世界のリーダーとして、役割を果たさなければならないと思っています。

 経済成長は、国を守る力を構築するという意味でも、国際社会における発言力を保持するという意味でも、極めて重要です。今こそ、成長戦略をいかに描くかについて、真剣に議論しなければならない時に来ているのではないでしょうか。

 企業が赤字の時、他の企業よりも多く働くしか道はなく、残業ができないなどとは言っていられないはずです。休み方改革とも言われる働き方改革は、国全体としての力を後退させる懸念があります。再度、二宮尊徳の「勤勉の精神」をベースにした国づくりを行っていくべきではないでしょうか。

 --労働法制について本来どのような方向性が適切か

 労働生産性の向上による収益拡大を念頭に、働き方改革を推し進めるのは、本来は企業の自主的な努力に委ねられるべきであり、時間外労働の規制強化に関しては見直しを検討すべきだと考えます。

 過重労働の防止やブラック企業の根絶には、本来的には雇用の流動化に向けた取り組みを行うことが必要です。雇用が流動化すれば、労働者側はよりよい環境で働ける企業を自由に選ぶことができるようになり、企業側は質の高い労働者を獲得するために、労働環境の改善に向けた取り組みが迫られることになります。

 働き方改革を進めるのであれば、日本は今、解雇規制の見直しをはじめ、本来あるべき労働法制のあり方について、議論を徹底する必要があるのではないでしょうか。

 --厚生労働省の統計問題が波紋を呼んでいる

 賃金動向を調査して、世帯給与の伸びなどを算出する毎月勤労統計について、本来は従業員500人以上の事業者は全て調査の対象となるものの、04年より、統計の一部が抽出調査へと変更されました。統計の精度が低下したことで、およそ2015万人分の雇用保険や労災保険などが本来より少なく給付されたとされています。

 今回の不正は、政策判断を揺るがす由々しき事態ですが、政権与党がアベノミクスの成果として強調してきた賃金の動向に疑念が生じていることからも、国民は裏切られることになったといって過言ではないでしょう。統計の信頼性を取り戻すためには、徹底した情報公開を行うとともに統計改革に向けた議論も行っていくべきでしょう。

 8日に死去した堺屋太一氏は、経済企画庁長官時代に生活実感としての景況感を調べる景気ウオッチャー調査を開始しています。統計不正が明らかとなった今、政策決定は本来、国民生活の目線に立ってなされるべきものと思います。

 景気回復の実感に乏しい中、消費税増税を行うことに合理性は見いだせません。安倍晋三首相にはぜひとも、10月の増税を中止するという英断を下していただきたいものです。

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【プロフィル】釈量子

 しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。