米巨大IT、世界で規制加速 著作権料支払いや捜査協力を義務化

 世界でグーグルやアマゾン・コム、フェイスブック(FB)をはじめ「プラットフォーマー」と呼ばれる米巨大IT企業の規制に向けた動きが加速している。各社が集めたビッグデータの利用料支払いだけでなく、犯罪捜査への利用者情報の提供を義務付ける動きも出ている。

 市場締め出し現実味

 インド政府は「情報技術規則」と呼ばれるプラットフォーマー規制の草案をまとめ、今週末のパブリックコメント募集終了を経て数週間以内の施行を目指している。

 新規則にはIT各社がメッセージを追跡可能にすること、問題のある内容を24時間以内に削除すること、また司法当局による捜査に協力することが盛り込まれている。

 インターネット利用者が現在の4億8000万人から2022年には7億3700万人に増えるとみられている同国では3社のほかにもツイッター、マイクロソフトなど米IT大手が大規模な投資を行っている。そうした中で、インド政府は、FBに当局による監視強化を可能にするように圧力をかけている。

 FB傘下の通信アプリ「ワッツアップ」が暴力の助長やわいせつ画像の拡散に使用されているとして、暗号化で保護された同アプリ上での個人間のやり取りを監視できるよう要請。FBはこれを拒否しているが、処罰を受けたりインド市場から締め出されたりする可能性がある。

 インド電子情報技術省(MEITY)高官は「防犯と捜査のために当局による通信履歴の追跡を可能にすることが必要」と主張。これに対しワッツアップは「インド政府の要求は当社のプライバシーポリシーと法令順守に反する」と反発している。

 オーストラリアでも政府がIT企業に対し、安全保障や交通安全の目的で、画像やメッセージを含む暗号化された通信へのアクセスを要請できるようにする法案が可決した。

 個人情報利用に懸念

 欧州連合(EU)では13日、欧州議会で改正著作権法が合意され、プラットフォーマーが著作権のある作品をウェブ上に載せる場合は使用料の支払いが義務化されることになった。これに対し、プラットフォーマー側は米コンピューター情報産業協会(CCIA)を通して反対を表明した。

 英議会は12日、プラットフォーマーなどに関する調査を始めた。この中でIT企業が、集めた個人情報をどう利用しているかが不透明なことに加え、適正な取り扱いを行っているか確認するアクセスを規制当局が持っていない場合があることを懸念する声が上がった。今後の検討課題として、IT企業が支払う情報使用料と課税が挙げられた。(ブルームバーグ Saritha Rai、Nate Lanxon)