米中の閣僚級協議終了 構造改革で隔たり、来週は米で交渉 習氏「重要な進展」

会談で、中国の習近平国家主席(右)と話すロバート・ライトハイザー米通商代表(左から2人目)。左はスティーブン・ムニューシン米財務長官=15日、北京の人民大会堂(ロイター)
会談で、中国の習近平国家主席(右)と話すロバート・ライトハイザー米通商代表(左から2人目)。左はスティーブン・ムニューシン米財務長官=15日、北京の人民大会堂(ロイター)【拡大】

 【北京=西見由章、ワシントン=塩原永久】米中両政府は15日、北京で2日間の閣僚級貿易協議を終えた。焦点だった中国の構造改革をめぐり主張の隔たりは大きく、米政府は同日、来週も米首都ワシントンで協議を続けると発表した。摩擦解消に向けた交渉期限の3月1日まで残り約2週間に迫り、期限を延長しない限り包括的な合意は困難な状況になりつつある。

 中国の習近平国家主席は同日、北京の人民大会堂で米交渉団のライトハイザー通商代表部(USTR)代表やムニューシン財務長官らと会談した。中国外務省によると、習氏は交渉について「重要な段階的進展があった」と評価した。

 米政府の声明によると、来週の協議は次官級、閣僚級で実施。これまでに米中は合意事項を「覚書に明記することで一致した」という。両政府は3月1日の交渉期限に向けて集中的に交渉する方針とみられる。

 一方、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は15日、米側が中国に要求している国有企業への補助金廃止などの構造改革について「中国側からは表面的でインパクトの弱い提案しかなかった」とする関係者の話を伝えた。その内容は「壊れたレコード」のような以前の提案の繰り返しで、米側の不満を招いたとされる。

 ロイター通信によると、中国側は国有企業への補助金を世界貿易機関(WTO)のルールに沿ったものに改善すると主張したが、具体的な内容は触れなかった。6年間で2千億ドル(約22兆円)相当の米国製半導体を輸入する方針も示したものの、昨年春に中国側が示した米産品購入案の焼き直しだという。