ロシア進出企業、7割超黒字 ジェトロ調査 制裁下も資源高で経済回復

 日本貿易振興機構(ジェトロ)が18日発表したロシア進出日系企業の実態調査で、欧米の経済制裁下にもかかわらず、2018年の進出日系企業の黒字見込み率が7割超に上ったことが分った。現地市場の販売増で営業黒字見込みの回答は前年比6.5ポイント増の72.8%となり、3年連続で過去最高を更新した。

 調査は18年10月から12月に行われた。ジェトロは「資源高によるロシア経済回復で資源関連や自動車などの消費も拡大している」と分析する。

米製品減少を商機に

 米国の鉄鋼・アルミ関税引き上げや金融分野を含む経済制裁への対抗措置として、18年8月以降、ロシアは米国製建設機械やダンプトラックなどに報復関税を実施している。

 通関統計によれば、18年9~12月期は、米国製ダンプトラックの輸入が、前月、前年いずれとの比較でも大きく落ち込む一方、日本製の輸入が前年比2倍となり、米露の貿易摩擦の中で日本企業は巧みに商機を取り込んだ。

 ダンプなど鉱山機械を輸出する日立建機は拡販に動き、現地で鉱山機械の故障に対処するための修理工場も計画している。

通貨安生かす事業も

 長期化するロシア通貨ルーブルの為替安を逆手に事業展開する企業も目立つ。ロシア政府は輸入代替として国内の医薬品や食料産業育成を強化。こうした中で、武田薬品工業がロシアで現地生産した医薬品販売が好調という。三井物産も18年、食料大手ルスアグロと協力覚書を結びロシアの輸出に貢献する。

 ロシアによるウクライナ領クリミア半島の武力併合で、欧米はロシアへの経済制裁を強めている。今回の調査で米国の経済制裁強化の「影響がある」との回答は半数弱。具体的な影響は、「売上げ減少」をトップに「日本本社での(ロシア案件の)優先順位の低下」と続く。制裁を前に日本の本社が慎重姿勢を崩していない実態が浮かび上がる。(上原すみ子)