米商務省、自動車関税の報告書提出 “交渉カード化”日本側に警戒感

 米商務省が17日、自動車関税に関する報告書をトランプ大統領に提出したことを受け、日本政府内に警戒感が強まっている。日米は今春にも始まる通商交渉中は自動車の追加関税を発動しないことを確認済みで、仮にトランプ氏が輸入制限を表明しても、日本は当面、除外される見通しだ。しかし、トランプ氏が「見返り」に自動車輸出の数量制限や農産品の市場開放などで強硬姿勢を強める恐れがある。対日交渉において、トランプ氏は強力なカードを握ることになる。

 トランプ氏は自動車に20~25%の追加関税を検討しているとされる。基幹産業の自動車輸出に悪影響を及ぼすのは必至で、日本政府は「絶対に避ける」(経済産業省幹部)構えだ。

 昨年9月の首脳会談で日米は、今春にも開始する物品貿易協定(TAG)交渉中は自動車への追加関税を課さないことを確認した。だが、トランプ氏は追加関税を「脅し」に使い、TAG交渉で日本に圧力をかける可能性が高い。交渉が決裂すれば、トランプ氏は一転して追加関税を課す恐れすらある。

 米国が昨年、鉄鋼などに高関税を課す輸入制限を発動した際、中国や欧州連合(EU)、カナダなどが一斉に反発して世界貿易機関(WTO)に提訴したのに対し、日本は自重した経緯がある。

 米国への鋼材輸出が全生産量の2%程度にすぎないことや、「日本の鉄鋼製品は高品質で代替品が少ない」(経産省幹部)ため、経済への影響は少ないと判断。WTO提訴によって、いたずらにトランプ氏を刺激することは得策ではないとみたからだ。

 しかし、自動車の輸入制限となれば「話は違ってくる」(政府高官)。自動車業界に与える影響の大きさを考慮し、WTOへの提訴も視野に入ってくる。