動画・SNS使い放題を一部規制 総務省方針 ガイドライン策定要請

 総務省は携帯電話事業者が動画サイトや会員制交流サイト(SNS)の特定サービスを使い放題にする「ゼロレーティング」という仕組みについて、電気通信事業法に基づく指針を定めて一部を規制した上で、通信業界に自主規制を求める方針であることが19日、分かった。利用者のメリットは大きいが、利用しない人の不公平感や事業業者の公正な競争を妨げるとの懸念があるため、ルール整備に乗り出す。ゼロレーティングに対するルールは、総務省の有識者会議「ネットワーク中立性に関する研究会」が20日に示す中間報告書案に盛り込む。

 総務省の指針では明らかに公平性を欠く行為に限ってあらかじめ指針で定める。例えば、携帯電話事業者がゼロレーティングで提供するコンテンツを他の携帯事業者に提供することをコンテンツ事業者に禁止・制限するといった不当な囲い込みを行うことなどは禁ずる。総務省は今夏をめどに指針をまとめる予定だ。

 だが、それ以外は規制を設けず、通信業界に自主規制のガイドライン策定を要請する。無料となる通信料のコスト負担をどうすべきかといった詳細のルールづくりは業界に委ね、それが守られているかの監視に総務省が関与する形にする。事業モデルがまだ発展途上であることから、当初から一律の事前規制はしない。

 ゼロレーティングは一部の格安スマートフォン事業者が料金プランに組みこんでいたが、昨年9月にソフトバンクが動画投稿サイト「ユーチューブ」などが使い放題となる料金プランの提供を開始し、スマホを頻繁に使う若者らの人気を集めている。だが、社会インフラを担う通信会社が特定のサービスを優遇することは「ネットワーク中立性」の原則を侵害する懸念があるとされ、欧米でも規制の在り方が議論されている。