中国経済減速の悪影響鮮明に 1月貿易統計 (1/2ページ)

春節の装飾が施されたビルの前を歩く男性。春節期間中の消費は大きく冷え込んだ=1月31日、北京(AP)
春節の装飾が施されたビルの前を歩く男性。春節期間中の消費は大きく冷え込んだ=1月31日、北京(AP)【拡大】

 1月の貿易統計では中国向けの輸出が前年同月比17.4%減と大きく減り、米国との貿易摩擦による中国経済減速の悪影響が鮮明になってきた。今後の米中の貿易協議次第では、影響がさらに広がる恐れもあり、戦後最長の景気拡大基調が続く日本経済は“冷や水”を浴びせられかねない。

 中国経済の減速は昨年7月以降に米トランプ政権が発動した3度の対中関税で顕在化。同年10~12月期の実質成長率(速報値)は6.4%と、リーマン・ショック直後の2009年1~3月期(6.4%)に並ぶ低水準まで落ち込んだ。

 こうした情勢を踏まえ、内閣府は今年1月の月例経済報告で、中国の景気判断を「緩やかに減速している」へ下方修正。中国など海外経済の不確実性が日本経済の先行きに与えるリスクに「留意する必要がある」と呼びかけた。

 1月の貿易統計での対中輸出の減少は「米中貿易摩擦などによる中国経済減速の影響がある」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)。

 中国製品には日本の部品や原料、製造機械が多く使われ、日本の平成29年度の対中輸出総額は15兆1873億円と、輸出相手国別で首位を占めた。

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