GAFA対抗に新たなバリューチェーン戦略 高橋進氏 (1/2ページ)

インタビューに応じる日本総研の高橋進チェアマン・エメリタス=18日、東京都千代田区(早坂洋祐撮影)
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  • インタビューに応じる高橋進チェアマン・エメリタス=18日、東京都千代田区(早坂洋祐撮影)
  • 日本総研の高橋進チェアマン・エメリタス=18日、東京都千代田区(早坂洋祐撮影)

 経済財政諮問会議の前民間議員、高橋進日本総合研究所チェアマン・エメリタスは産経新聞のインタビューに答えた。高橋氏はGAFA(ガーファ)と呼ばれる米グーグルなどの巨大IT企業に対抗するため、日本企業はバリューチェーン(事業連鎖)の再構築といった新たな戦略が重要だと訴えた。

 高橋氏が危惧するのは、たとえば、既存の流通ルートの破壊だ。

 「アマゾン・コムの書籍通販を例にとれば、今後、顧客の好みに関するデータを踏まえて直接、作家に執筆を頼み、デジタルで出版するといったビジネスを広げる可能性がある」と指摘。書籍の製作から販売までを手がけるバリューチェーンが完成すれば、「既存の出版社や書店は打撃を受ける」と警告する。

 そのうえで高橋氏は日本企業も顧客データを活用して消費者ニーズを引き出す事業展開を重視すべきだと強調。「業界を超えた新しいチェーンの構築や、場合によってはGAFAと手を組む戦略も必要」と話す。

 またGAFAは自動運転車など「リアル」な世界にも進出しており、あらゆる業界での覇権争いが予想される。高橋氏はこれらの分野は日本が強みを持っているケースも多いとし、「(人工知能の開発・活用といった)『第4次産業革命』を進め、優位に戦わなければならない」とした。

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