【中国を読む】中国市場、「高くても売れる」がより重要に (1/3ページ)

買い物客でにぎわう上海のユニクロ。小売業やサービス業など多くの企業が中国市場開拓にしのぎを削る(ブルームバーグ)
買い物客でにぎわう上海のユニクロ。小売業やサービス業など多くの企業が中国市場開拓にしのぎを削る(ブルームバーグ)【拡大】

  • ジェトロ・アジア経済研究所箱崎大

 人件費上昇に悩む中国の日系企業にとって現地部材の利用はコスト削減の鍵だが、中国の現地調達率は既に高く、さらなる引き上げが難しくなっているようだ。コスト削減は確かに大事だが、「高くても売れる」製品やサービスの開発・展開がより重要となってきているのではないか。(ジェトロ・アジア経済研究所 箱崎大)

 最大の課題は人件費

 中国に進出している日系企業の悩みは賃金上昇である。ジェトロが2018年12月に発表したアジア・オセアニア進出日系企業実態調査をみると、経営上の問題点として「従業員の賃金上昇」を挙げる企業は75.7%に達する。昨年に限らず、経営上の課題として賃金上昇は近年、首位を独走している。

 一方で、中国は巨大な市場であり、1人当たりの所得も増加が続いている。中国に進出している多くの企業は、時代に合わなくなった事業はたたんでも、中国事業自体は継続を志向している。この状況は撤退というより事業再編というべきものだろう。

 撤退率については16年時点で3.5%というデータがある(経済産業省「海外事業活動基本調査」、以下「基本調査」)。01年以降でいえば、15年が3.6%で最も高く、そこからあまり下がっていないことになる。ちなみに最低は07年で、1.8%だった。

続きを読む