【中国を読む】中国市場、「高くても売れる」がより重要に (2/3ページ)

買い物客でにぎわう上海のユニクロ。小売業やサービス業など多くの企業が中国市場開拓にしのぎを削る(ブルームバーグ)
買い物客でにぎわう上海のユニクロ。小売業やサービス業など多くの企業が中国市場開拓にしのぎを削る(ブルームバーグ)【拡大】

  • ジェトロ・アジア経済研究所箱崎大

 2000年代前半のように企業の海外進出案件の3~4割が中国という時代もあったが、今は1割以下とみられる(16年の基本調査では7.9%)。ビジネスチャンスという点で中国は、以前に比べれば普通の国になったということだろう。

 問題の人件費をみると、中国進出日系企業の場合は製造原価の2割程度にすぎない。他方、材料費が6割を占め、費用の中心はこちらである。その圧縮には現地での調達を増やすこと、つまり中国の分厚い産業集積の利用が鍵といえる。

 アジア・オセアニア19カ国・地域の中で日系企業の現地調達率(18年)が最も高いのは中国で(66.3%)、事業展開先として人気のベトナム(36.3%)、インドネシア(42.0%)のはるか上をいく。

 それにしても、現地調達率はどこまで引き上げられるものなのだろうか。中国において、低価格競争を避け品質で勝負しなければならない日系企業の場合、日本をはじめとする中国外の部材を一定程度利用することは、製品の差別化という点で不可避のはずだ。

 現地調達率の最近の推移をみると、実は16年の67.8%がピークで、18年にかけてはやや低下している(66.3%)。また、コスト上昇への対応についての問で、「現地調達率の引き上げ」との回答は、16年(25.7%)から18年(17.5%)にかけ10ポイントも低下している。

 地場へ調達先シフト

 さらに言えば、日系企業は現地調達先を現地の日系企業から地場企業にシフトしている。現地日系企業からの調達が16年35.4%から18年には30.7%に低下する一方、地場企業からは59.4%から62.7%に上昇している。調達の現地化は深化しているが、「良いモノをより安く」することの限界が近付いているようにもみえる。

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