未来の車はレーザーで1キロ先を照らす ノーベル賞の中村修二氏が挑む新照明 (1/2ページ)

新型レーザーのヘッドライトが間もなく登場する見込みだ(ブルームバーグ)
新型レーザーのヘッドライトが間もなく登場する見込みだ(ブルームバーグ)【拡大】

 車のヘッドライトをつけたとき、「この照明がもっと明るければいいのに」と思う人は少ない。中村修二氏はその少数派の一人だ。

 青色発光ダイオード(LED)の開発でノーベル物理学賞を受賞した同氏は、5年前からレーザーを使った照明装置の開発に取り組んでいる。中村氏が経営するSLDレーザーによれば、新装置はLED照明より10倍明るく、1キロ先の物体を照らすことができるうえ、現代のいかなる技術よりも省エネだという。さらに、レーザーは来るべき運転支援システムに組み込むことができる可能性がある。

 自動車がクラウドコンピューティングやカメラ、センサーによる鮮明な前方「視野」を得てより高度化された半自律型システムへと向かうにつれ、照明とデータ通信は運転者の安全性に大きく関与するようになることが見込まれる。SLDのレーザーはWi-Fiよりも通信速度が速い新世代の無線技術、Li-Fi(ライファイ)を使ってデータを送ることができる。同社はまだ開発段階ではあるものの、この技術の実用化に取り組んでいる。

 米ラスベガス郊外で行われた深夜のデモンストレーションでは、オフロードトラックに搭載した照明バーが砂漠の突風の中、でこぼこ道のわだちや砂丘、砂利を鮮やかに照らしてみた。

 だが、接近する車の運転者の目を不用意にくらませることなく、安全にこの装置を車体前方に搭載することができるのだろうか。

「飛んでいるハエを照らすことさえ」