ミャンマー 中国の港湾開発で葛藤 経済発展の期待も「債務のわな」不安視 (1/2ページ)

ミャンマー西部チャウピューにある原油関連施設に掲げられた中国語の看板=2018年12月(共同)
ミャンマー西部チャウピューにある原油関連施設に掲げられた中国語の看板=2018年12月(共同)【拡大】

 中国が巨大経済圏構想「一帯一路」の中核と位置付け、港湾開発を進めるミャンマー西部ラカイン州チャウピュー。地元では経済発展が期待される一方、将来的に重い債務負担に苦しむ「債務のわな」に陥る危険性も指摘されている。開発で豊かな漁場を奪われ収入が減った住民は、地元の利益につながるのか不安視しながらも「息子世代が豊かな生活ができるのなら…」と葛藤を抱えたまま生活している。

漁獲量が大幅減

 「収入が7割も減少した」。大型貨物船が入れる水深を備えた港が建設予定のマデー島で、漁師のティン・ジャンさんは打ち明けた。

 インド洋に面したチャウピューは、中国向けの原油と天然ガスのパイプラインの起点だ。ジャンさんはパイプライン建設が始まった2010年以降、漁のできる場所が減り、漁獲量が大幅に減少したと訴える。それでも「開発が進めば働き口が増え、出稼ぎ中の若者が戻ってこられるだろう」と、わずかな希望に望みを託していた。

 地元の僧侶、バタンダ・ダマ・ダラさんによると、道路や電気などのインフラを整備するとの触れ込みだったが、一部しか実現していない。「住民が抗議してようやく電気が24時間使えるようになった」という。

 中国から多額の投資を受けた島国スリランカは17年、巨額の債務のために港湾の運営権を中国に奪われた。同様の事態を警戒したミャンマー政府は「借金をせず、事業費を圧縮する」(地元記者)方向にかじを切った。

 地元紙などによると、当初の港湾開発の事業費は72億ドル(約8062億5600万円)で出資比率は中国が85%、ミャンマーが15%だったが昨年11月、比率をそれぞれ70%と30%に変更。4期の計画のうち、1期目の16億ドルを13億ドルに縮小し、2期目以降は需要を確認してから進めることになった。

 タウン・トゥン投資・対外経済関係相は今年1月下旬、計画縮小の理由について「他の国と同じ間違いをする必要がないことをはっきりさせるためだ」と説明した。

軍事利用懸念も