株価・外為

不動産投資信託、過熱に警戒感 分配金利回り平均4%超えも“過剰な資金流入”の声 (1/2ページ)

 金融市場全体が不安定な動きを続ける中、不動産投資信託(REIT=リート)が堅調に推移している。安定した分配金利回りを期待して、投資資金が逃げ込んできたためだ。ただ、その不動産市場も過去にたびたび金融危機の発生源となってきただけに、過熱サインへの警戒感も漂い始めている。

 東京証券取引所に上場するリートの値動きを示す東証リート指数は1800ポイント台半ばで推移。昨年末から約4%上昇し、約2年ぶりの高水準にある。一方、株式市場は日経平均株価が8日に今年2番目の下げ幅を記録するなど、値動きが荒くなっている。

 リートには、安倍晋三首相も「都市再生や地方創生を促進し、国内総生産(GDP)、雇用の拡大に大きく貢献している」と述べ、さらなる成長を期待する。

 リートが堅調な要因としてまず不動産市場の活況が挙げられる。オフィス仲介大手の三鬼商事によると、東京都心の2月のオフィス空室率は1.78%と記録がある2002年1月以降で過去最低を更新。平均賃料は62カ月連続で上昇中だ。

 米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が金融引き締めに慎重な姿勢に転じたことも追い風だ。足元の長期金利は0%前後に対し、リート全体の分配金利回りは平均で4%を超える。

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