牛肉輸入制限まで5万トン 発動すればトランプ氏の反発必至

 冷凍牛肉の輸入量が1月に急増し、米国産などに対する緊急輸入制限(セーフガード)の発動基準まで残り5万トン弱となった。基準の14%に当たる。もし発動すればトランプ米政権からの反発は必至。2月の牛肉輸入は落ち着きがみられるが、予断は許さず2~3月の輸入動向に注目が集まっている。

 全世界からの輸入量を基準に実施する冷凍牛肉の輸入制限は、直近では平成29年8月から昨年3月まで発動され、関税が38・5%から50%に引き上げられた。ただ、経済連携協定(EPA)を結んでいるオーストラリアなどには適用されないため、再び発動されれば、米国は日本への輸出で相対的に不利となる。今春にも初会合が予定される日米の新貿易交渉での新たな火種となりかねない。