凋落続く市場にも強みあり シンガポール取引所、ニッチで生き残り (2/3ページ)

シンガポール取引所の本部(ブルームバーグ)
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 だがSGXのデータによれば、昨年末時点でシンガポールを主要な上場先とする企業の時価総額は14年末から975億シンガポールドル(14%)減少。1営業日当たりの平均売買高は07年から半減している。CGS・CIMBセキュリティーズ・インターナショナル(シンガポール)のアナリスト、ヌゴー・イ・シン氏は「心配される傾向」だと言う。

 さらに懸念すべきはシンガポールが育んだ企業も逃げ出していることだ。シンガポール生まれの陳民亮最高経営責任者(CEO)が率いるレーザーは、政府系ファンドGICが支援してきたゲーム関連企業で、消費者テクノロジー業界でのシンガポールにおける最近の成功例の一つだ。だがレーザーが17年11月に上場したのは香港だった。中国本土に近いことや香港を通じた本土株売買もしくはその逆も可能な「ストックコネクト」が香港に明らかに有利に働いている。

 香港を通じ上海と深センの市場は、海外投資家のアクセスが極めて容易になった。アバディーン・スタンダード・インベストメンツ(シンガポール)のアジア株式ファンドマネジャー、ジェームズ・トム氏は、同社がここ3年間にシンガポール保有株を売却し、その資金を中国人民元建てA株購入に充てていることを明らかにした。

 企業支援では成功

 シンガポールと香港は常にアジア金融の中心地としての地位を競い合ってきた。ただ、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の資本市場責任者でシンガポール在勤のタム・トゥック・セン氏は、今や香港市場の方がずっと大きく、活気があり、勝負にならないと語る。

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