銀行業界にいらだち 曇天景気で長引く金融緩和 リスク投資で損失も (1/2ページ)

会見する全国銀行協会の藤原弘治会長=14日、東京都千代田区(西村利也撮影)
会見する全国銀行協会の藤原弘治会長=14日、東京都千代田区(西村利也撮影)【拡大】

  • 会見する全国銀行協会の藤原弘治会長=14日、東京都千代田区(西村利也撮影)

 世界経済の先行きに悲観的な見方が強まり、銀行業界が日本銀行の大規模金融緩和のさらなる長期化にいらだちを募らせている。市場では来年にかけての景気後退入りを見込んだ追加緩和観測もくすぶり、緩和を手じまいする「出口戦略」は一層遠のきそうだ。低金利の長期化で本業の貸し出し業務は利益を出せず、リスクの高い投資に傾注して損失を出し、経営の安定性が揺らぐ懸念が強まっている。

 全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は14日、会長として臨む最後の記者会見で、大規模緩和について「経済全体で損失が利益を上回る状態に陥るリスクが高まっていないか十分精査してほしい」と見直しを要望した。また、日銀が掲げる2%の物価上昇目標にはこだわらず柔軟に対応してほしいと訴えた。

 足元の景気は後退局面入りの可能性が指摘されているが、政府は景気が穏やかな回復基調にあるとの認識を維持している。銀行業界の訴えには、今が将来の正常化に向けた政策修正の「ラストチャンス」(大手銀幹部)という切迫感がある。

 実際、エコノミストの間では日銀がいずれ追加緩和に踏み切るとの見方が徐々に強まっている。足元の株価回復を受け、今すぐ景気の下支えが必要になるとみる向きは少ないが、年末にかけて景気悪化が進み上場投資信託(ETF)の買い増しなどの対応が必要になるとの見立てが広がる。

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