【論風】熾烈化する米中「新冷戦」 安全保障へのAI活用急務 (1/3ページ)

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 モノのインターネット(IoT)の進展に伴いサイバー攻撃はサイバー空間における安全保障ばかりでなく、実空間における安全保障のあり方も大きく変え、加えて人工知能(AI)、特に深層学習(画像認識など)の進展によって、AIの軍事革命として戦争を情報化戦争から知能化戦争へと移行させ、先頭を走る米国を中国とロシアとが急追する状況である。実際にロシアのクリミア併合ではサイバー攻撃、電磁波攻撃を巧みに使い、北大西洋条約機構(NATO)の出る隙さえ与えなかった。周知のように軍事バランスの変化は国際関係の変化に直結し、今後AI開発の優劣が国際関係をも左右することになろう。そのAI開発は米中が突出しており、いわばサイバー米中覇権分有に加えAI米中覇権分有時代が到来しているのである。(日本危機管理学会会長、国際社会経済研究所上席研究員・原田泉)

 サイバー分野「死活的に重要」

 このことは経済面にも影響し、米中貿易摩擦は、サイバー空間でのデータ獲得競争、AI開発をめぐる知的財産保護と国家支援のあり方、そして華為問題、次世代通信技術の5G問題へと続いている。これらをもって米中新冷戦時代に突入したとの見方さえある。戦後の米ソの冷戦は、資本主義対社会主義のイデオロギーと経済両面での対立で、お互い相いれないものだった。

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