「屋台骨」日産の撤回に複雑 英サンダーランド61%が離脱支持票 (1/2ページ)

日産自動車の英国生産拠点であるサンダーランド工場の組み立てラインで働く男性(ブルームバーグ)
日産自動車の英国生産拠点であるサンダーランド工場の組み立てラインで働く男性(ブルームバーグ)【拡大】

 日産自動車の英サンダーランド工場で20年間働いてきたリサ・ローリーさん(47)は、大半のサンダーランド市民と同様に、2016年の国民投票で欧州連合(EU)離脱に支持票を投じた。

 日産が同工場での新モデル生産計画を撤回したことを受け、ローリーさんは自分の判断が正しかったのか考えるようになった。日産は撤回の理由の一つにEU離脱を挙げた。地元政治家や企業幹部から聞かされた離脱後のシナリオはもはや、「空想」として一笑に付すことはできないとローリーさんは感じている。

 サンダーランドの国民投票結果は、61%が離脱支持だった。米国でトランプ大統領を誕生させたのと同様の反主流派のうねりや移民への反感、取り残されているとの意識などが熱狂的な離脱支持につながった。いまやサンダーランドはこの結果が招いたあおりをまともに受けている。長期化するEU離脱交渉に振り回され、経済の先行きはいっそう怪しくなった。

 サンダーランド工場は英国最大の自動車工場で、地域経済の屋台骨を担う。主要産業だった石炭採掘と造船が衰退し、国内最悪の失業率と貧困にあえいでいたところに、日産は進出。現在7000人を直接雇用するほか、サプライヤー企業の合計2万8000人の雇用を支える。同工場の昨年の生産台数は44万2000台に上った。

「サンダーランドの住民は日産工場で働いているか…」