【データで読む】ベトナム 国内の民間セクター育成が課題

ベトナムの最大都市ホーチミンの港に積み重ねられた輸出貨物と運搬用クレーン(ブルームバーグ)
ベトナムの最大都市ホーチミンの港に積み重ねられた輸出貨物と運搬用クレーン(ブルームバーグ)【拡大】

 ベトナムでは、ハイテク分野への法人税減免などの優遇策や安価で質の高い労働力を求めて、外国企業の進出が増加している。2009年に進出した韓国サムスン電子は、今ではベトナムをスマートフォンの主力生産拠点としているほか、日本企業の進出も増えている。対内直接投資の増加を受けて、スマートフォンやパソコンなどハイテク分野のほか、衣類など幅広い品目で外資系企業による輸出が増加し、経済成長を主導している。

 ベトナムでは外資セクターの高成長が続く一方、国内企業の育成が課題となっている。フック首相が2月に公表した国家ビジョンでは、30年までに中所得国の上位に食い込むことを目指すとしており、高付加価値の外資の受け入れなどに取り組んでいるが、経済発展に伴い人件費が上昇すれば、外資系企業は人件費のより安い国に投資の重点を移す可能性がある。

 今後も安定した経済成長を続けるためには、外資受け入れの推進だけでなく、国内の民間セクターの育成が不可欠である。

 現在までのところ、ベトナムでは、依然として国営企業が国内総生産(GDP)の3割を占め、民間セクターのウエートは高まっていない。効率性が劣る国営企業の既得権益が民間企業の制約となっている可能性があるほか、行政手続きの不透明性や法制度の不備なども障害となっている。腐敗認識指数をみても、周辺国に比べ順位が低く、政府は汚職の撲滅や行政手続きの透明性向上といった改革を進めるとみられる。(編集協力=日本政策投資銀行)