ファーウェイ賞与に米異議 企業スパイに支払い 対中協議の焦点

華為による技術情報窃取の裁判が行われているシアトルの連邦地裁=米ワシントン州(ブルームバーグ)
華為による技術情報窃取の裁判が行われているシアトルの連邦地裁=米ワシントン州(ブルームバーグ)【拡大】

 目を見張る仕事をした社員にマネジャーがボーナスで報いるというのは珍しくない。だが中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の賞与制度は暗号化した電子メールを使い、他社の企業秘密を盗み出した従業員に報奨金を支払うというものだ。米検察当局はこう主張している。

 米当局はTモバイルUSから技術情報を盗んだとして華為を1月に起訴。その裁判がシアトルの連邦地裁で行われている。華為は罪状認否で無罪を主張した。

 米企業の多くは数十年前から、中国企業による知的財産(IP)窃取について訴えてきた。実際に盗む場合もあれば、中国で事業を行う条件として開示を要求する場合もある。現在行われている米中通商協議でトランプ米大統領はIP保護を焦点の一つとして取り上げている。

 トランプ大統領は2月24日にツイートで対中関税引き上げ先送りを発表した際、「知的財産保護を含む重要な構造問題」に関する中国との貿易交渉で米国は大きく進展したとコメントした。

 中国政府は米国の主張を否定している。だが、米知的財産窃盗に関する委員会(IP委員会)が2017年にまとめた報告書によれば、米経済は毎年、偽造品や海賊版ソフトウエア、企業秘密窃盗で少なくとも2250億ドル(約24兆9000億円)の損失を被っている。同委員会は中国を「世界の中心的IP侵害者」だと断じ、「外国の技術と情報を最大限に入手する戦略などを含む産業政策に深くコミットしている」と論評した。

 アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のエコノミスト、デレク・シザーズ氏は、こうした盗みに関与する国はあるが、ほとんどの場合、自国の経済が成熟するにつれそうした行為は減ると指摘。しかし中国のパターンはこれと異なり、「進歩するにつれ、IPの窃盗を通じ一段と多くを得ることができるようになっている」と語った。

 「サイバー技術のおかげで以前よりはるかに多くを盗めるようになっている」と同氏は分析。工場に忍び込むのではなく「ネットワークに侵入するだけでいい」と述べた。(ブルームバーグ Todd Shields)