韓国、不二越の資産差し押さえ 判決確定前に 挺身隊訴訟

2月15日、不二越本社を訪問する元徴用工訴訟の原告側代理人弁護士(中央)ら=東京都港区(宮崎瑞穂撮影)
2月15日、不二越本社を訪問する元徴用工訴訟の原告側代理人弁護士(中央)ら=東京都港区(宮崎瑞穂撮影)【拡大】

 【ソウル=名村隆寛】韓国で機械メーカー「不二越」を相手に元朝鮮女子勤労挺身(ていしん)隊員らが損害賠償を求めた訴訟で、原告側は26日、1、2審で勝訴したものの確定判決が出ていない段階で、同社資産を裁判所の決定に基づき差し押さえたと発表した。判決確定前の差し押さえは初めて。

 同訴訟は、最終的に確定したものではないが、仮執行手続きは可能。原告23人の「賠償金」を確保するため、差し押さえを申請し、韓国の蔚山(ウルサン)地裁が今月15日付でこれを認めた。差し押さえ対象は、不二越の韓国内の合弁企業「大成・NACHI油圧工業」の株式7万6500株で、約7億6500万ウォン(約7650万円)相当という。

 いわゆる徴用工や元挺身隊の訴訟をめぐり、韓国最高裁が昨年10、11月に日本企業敗訴の確定判決を出したことで、新日鉄住金、三菱重工業の韓国国内の資産が差し押さえられた。

 25日には大田(テジョン)地裁が三菱重工業の資産差し押さえを認める決定を原告側に伝えたばかりだ。資産差し押さえとなった日本企業は、今回の不二越で3社目となった。

 一方、原告側は26日、裁判所が新日鉄住金への追加での資産差し押さえを14日と18日に決めたことも明らかにした。新たに差し押さえたのは同社と韓国鉄鋼大手「ポスコ」の合弁会社「PNR」の株式約11万3千株で、約5億6800万ウォンに相当。原告側は1月に同社の株式約8万1千株を差し押さえており、対象は計約19万4千株となった。ただ、資産の売却手続きには入っていないという。

 原告側は、新日鉄住金の韓国内資産の内訳を明らかにするため、同社の財産開示手続きをソウル中央地裁に申請したことも明らかにした。