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中国で幹部になるための条件 新たに改正した「条例」で読み解く (1/2ページ)

 中国共産党は今月中旬、新たに改正した「党政指導幹部選抜任用工作条例」を公表した。これを読むと、幹部になるためにはどうあるべきかが分かる。(元滋賀県立大学教授・荒井利明)

 幹部の選抜任用に関しては、まず1995年に暫定条例が制定された。江沢民時代末期の2002年、それが正式な条例に格上げされた。その後、習近平時代の13年に改正され、今回また改正されたのである。

 95年版、02年版、13年版、19年版を比較すると、02年版と13年版の間に大きな違いがある。幹部の選抜任用にあたって堅持すべき原則に関して、95年版と02年版は、「徳」と「才」の兼備を規定しているが、13年版(19年版も)では、兼備だけでなく「徳」を優先するとも規定している。

 「徳」は品行、品性という意味で、腐敗、さらに思想や立場にかかわる。「才」は才能、能力である。つまり、習近平時代になって、能力よりも思想や立場が重視されているということである。

 もっとも、条例は改正されなかったが、江沢民時代の次の胡錦濤時代には、「徳」を優先する方針が打ち出されていた。つまり、「徳」の優先は胡錦濤時代に始まるが、習近平時代に極めて明確になったのである。

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