高論卓説

中国・未来都市の実験特区「雄安新区」とは (1/2ページ)

 ■深センの成功再現には人材確保が鍵

 2年前の春、中国で重要な新都市構想が宣言された。北京の隣に位置する河北省の「雄安(ゆうあん)新区」だ。雄安新区は、深セン(しんせん)経済特区と上海浦東(ほとう)新区の成功を見習い、なかなか進まない北京市、天津市、河北省の一体的な発展を図りつつ、北京が抱える渋滞や環境問題、公共サービスの不足といった「都市病」の解決や、先端技術を用いる未来志向型の都市づくりを目指す。

 振り返ってみると、トウ小平氏の主導で経済特区に指定された深センは、1980年代以降の改革開放を追い風に急速に発展し、北京、上海、広州に次ぐ重要な都市へと大きな変貌を遂げている。90年代に入ると、当時のリーダーである江沢民氏のリードにより上海浦東新区の発展が進められた。深センと上海の発展はトウ小平氏と江沢民氏の重要な政治的なレガシー(遺産)となっている。このように考えると、習近平政権の新たな目玉政策として打ち出された雄安新区の建設は、政治的にも重要な意味を持つと思われる。

 これまで、習近平国家主席は雄安新区の重要性を繰り返し訴え、構想や基本計画などを含むグランドデザインの策定を推し進めている。河北省は2018年4月に「河北雄安新区計画綱要」を公開。この綱要を基に全国から200超の提案を吸収・融合し、翌19年1月に「河北雄安新区全体計画(18~35年)」を発表した。それによると、22年までに環境保護を意識したインフラ建設を中心に進め、ハイエンド産業の誘致を加速。35年までに環境にやさしく、スマートで住みやすい都市を実現する。また人口の急増を避けつつ、50年をめどに人口1000万のメガシティーになるという計画だ。

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