ロシアのプーチン政権と敵対する投資家、ビル・ブラウダー氏は昨年10月、ノルデア経由で取引された4億500万ドルが疑わしい資金だと北欧各国当局に通報。スウェーデン当局は調査しないと決定したが、フィンランド当局は方針を明らかにしていない。
【INGグループ】
オランダ紙トラウによると、INGモスクワ支店はロシアの投資銀行トロイカ・ディアローグが構築したマネーロンダリング・スキームに組み込まれ、数億ユーロの資金洗浄に関与した。INGは同支店の顧客の1人がマネーロンダリングに関わっている可能性があることを認識していたという。同行は数カ月前に資金洗浄に関連して8億7500万ドルの罰金を支払ったばかり。オランダ警察の金融犯罪担当局は捜査対象としているかについてコメントを控えた。
【クレディ・アグリコル】
スイス紙ターゲス・アンツァイガーが報じたところによると、05年から12年までの間にいわゆる「トロイカ・スキーム」の資金500件余りがクレディ・アグリコルのジュネーブ支店の口座に送金されていた。同行はこの報道の詳細については述べず、インドスエズ・ウェルス・マネジメント部門はマネーロンダリング防止関連規則を順守していると強調した。
【ドイツ銀行】
03年から17年までの間にドイツ銀行口座から「トロイカ・スキーム」に流れた資金は8億8900万ドル余りに上ったと、南ドイツ新聞は伝えた。ドイツ銀をめぐっては、ダンスケ銀の資金洗浄疑惑にコルレス銀行として関わっていたことや、パナマ文書で明るみに出た富裕層の税逃れに加担していた疑いも持たれている。
【KBCグループ】
ベルギー誌クナックは、破綻したリトアニアの銀行ウキオ・バンカスが06年から09年の間にINGベルギー、KBC、BNPパリバ・フォルティスのいわゆるコルレス口座を通じて100億ユーロを送金していたと報道。KBCはウキオとのコルレス契約を10年7月に解消したが、顧客の詳細について情報共有しないことを定めた非公開の取り決めを結んでいたとされる。
【ライファイゼン・バンク・インターナショナル】
外国銀行としてロシアで有数の事業規模を持つライファイゼンは、リトアニアのウキオ・バンカスやダンスケ銀行エストニア部門から6億3400万ドルの送金があったと、ブラウダー氏のエルミタージュ・ファンドは指摘。