チベット医学製品、世界に広まる ハーブティーやローション 亡命政府の財源

「メンツィカン」にある工場の作業場で、薬草の加工品を袋詰めする人たち=2018年3月、インド北部ダラムサラ(共同)
「メンツィカン」にある工場の作業場で、薬草の加工品を袋詰めする人たち=2018年3月、インド北部ダラムサラ(共同)【拡大】

 インド北部ダラムサラにあるチベット医学の研究所で作られたハーブティーやローションなどの製品が、世界各国に広まっている。研究所はチベット亡命政府が運営。中国政府との対立が続くチベット問題で解決の糸口が見えない中、製品の売り上げは亡命政府にとって貴重な財源にもなっている。

 「メンツィカン」と呼ばれるチベット医学・暦法学研究所は、ダラムサラにある亡命政府が1961年に開設した。チベット医学の医者である「アムチ」を養成するほか、ヒマラヤ山脈や周辺の地域から採取してきた薬草を集め、製品として加工する工場もある。

 チベットの旗が掲げられ香ばしさが漂う作業場で、ナワン・チョクラクさんは「ここに保管されている薬草は5000種類以上。それらを調合する方法は何百通りもある」と胸を張った。

 薬草はティーパックやオイル、シャンプーなどに加工され、インド国内に55カ所あるメンツィカンの診療所などで売られ、米国や欧州、日本などにも輸出されている。

 亡命政府によると、2017年度の製品の売り上げは、インド国内が1600万ドル(約17億7000万円)、国外への輸出が1560万ドルと拮抗(きっこう)する。輸出先は米国とドイツが300万ドルと最も多く、フランス(250万ドル)、スイス(150万ドル)と続く。日本は20万ドルだった。

 亡命政府は国でないことから正式な輸出と扱われず、薬品としても認められないなど難しさもある。だが、個人輸入などでの需要も多く、亡命政府によると「16年度より売り上げは1割ほど伸びている」という。

 チベット医学は、中国軍の1950年のチベット侵攻や59年のダライ・ラマ14世亡命などで離散した難民が各地に伝え、近年は代替医療として欧米でも注目されている。亡命政府の担当者は「製品の良さが世界に知られるようになってきた。私たちの伝統を知ってほしい」と話している。(ダラムサラ 共同)