「深層学習の父」、中国のAI利用に警鐘 (1/2ページ)

中国の顔認識技術大手、センスタイムによるデモンストレーション画面(ブルームバーグ)
中国の顔認識技術大手、センスタイムによるデモンストレーション画面(ブルームバーグ)【拡大】

 中国が市民の監視や政治支配のために人工知能(AI)を利用していることに対し、懸念を示す人物がいる。モントリオール大学でコンピューターサイエンスを教えるヨシュア・ベンジオ教授だ。

 同氏はフランスのヤン・ルカン、英国のジェフリー・ヒントン両氏と並んで、AIの技術の一つである「深層学習(ディープラーニング)」を推進してきた人物で、「深層学習の父」と呼ばれている。

 ベンジオ氏は1月、国際人権救援組織アムネスティ・インターナショナルのロンドンオフィスでインタビューに応じた際、(中国の現状をジョージ・オーウェルの小説に例え、)「『1984年』に登場する独裁政党『偉大な兄弟』(ビッグブラザー)の筋書きだ。ますます恐ろしくなってくると思う」と話した。

 深層学習の技術は顔認証システムや自然言語処理とその応用の機械翻訳、推奨アルゴリズムの進歩に貢献しており、学習のための事例を提供する大量のデータを必要とする。圧倒的な人口を誇り、国が記録を管理する中国には膨大なデータがある。

 中国政府は公の場での市民の行動を見張るため、監視カメラと顔認証システムを活用し始めた。その対象は、交通規則を無視した道路の横断から共産党一党独裁に批判的な動きまで多岐にわたる。さらには“反社会的”な人物を列車や飛行機のチケット購入においてブラックリストとするプラットフォームも創設し、各分野への利用拡大を検討している。

 ベンジオ氏は「追跡調査向けに顔認証(技術)を活用するのは厳しく規制されるべきだ」と強調する。

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