専欄

「準備10年、舞台1分」 中国の報道官も楽じゃない (1/2ページ)

 第12期全国人民代表大会(2013年3月~18年3月。全人代=国会)の報道官を務めた傅瑩(ふ・えい)が、「あなたと向き合って」と題する手記を昨秋、北京で刊行した。報道官時代の仕事ぶりがつづられており、報道官は本当に楽ではないな、と思わせられる内容である。傅瑩は元外交官で、駐英大使や外務次官などを務めた後、全人代の報道官に転じた。その主な仕事の一つは、全人代開幕前日の記者会見で翌日からの全人代について、国内外の記者の質問に答えること。「記者発表会の背後の物語」という副題が示すように、手記ではこの記者会見にあたり、どのような準備をし、質問にどのような意図で答えたかなどが具体的に詳しく記されている。(元滋賀県立大学教授・荒井利明)

 傅瑩の信条は、「準備10年、舞台1分」である。約1時間の記者会見のために、時間をかけて周到な準備を重ねたという。数人からなる記者会見チームを結成し、政府各部門の担当者やシンクタンクの専門家らとの懇談などを通じて今何が問題になっているか、何に関心が集まっているかを把握し、記者会見で取り上げられると思われる問題に関して想定問答集を作成してリハーサルを行った。最終的に約70の問題について回答を準備し、それをできるだけ覚え、リハーサルではチームのメンバーが司会役、記者役を務めた。それをビデオに撮り、再生しながら検討したという。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus