貿易協議、日本の自動車警戒感 18年対米輸出は横ばいも…

名古屋港に並ぶ輸出車(ブルームバーグ)
名古屋港に並ぶ輸出車(ブルームバーグ)【拡大】

 日米物品貿易協定(TAG)交渉で主要な争点となる自動車について、トランプ米大統領はこれまで「(日本は)何百万台もの車を(米国に)送り込んでくるのに、米国の車は買わない」などと揺さぶりをかけてきた。足元の日本車の輸出に大きな変化はみられないが、対米輸出の約3割を占める自動車に追加関税や、輸入数量規制が課せられれば影響は甚大で、警戒感が高まっている。

 日本にとって米国は自動車の最大輸出相手国だ。財務省の貿易統計によると、2018年の対米輸出は4兆5243億円で、前年比1%減とほぼ横ばいだった。

 自動車の対米輸出は、08年のリーマン・ショック後に落ち込んだが、近年は4兆円台で推移。日本に強行姿勢を取るトランプ政権になってからも安定している。

 一方、対米貿易全体でみると18年の黒字額は6兆4548億円で、前年の7兆232億円から8.1%減少している。月別にみても直近の1年間では、12カ月のうち9カ月で前年同月を下回った。トランプ政権は対日貿易赤字を問題視しているが、大和総研の小林俊介エコノミストは「外交的要因よりも原油価格の高騰などで輸入総額が増えた影響が大きい」と語る。自動車の輸出が微減にとどまったのに加え、電気機器や一般機械の輸出額はむしろ増えているからだ。

 ただ、鉄鋼に関しては対米輸出量が前年比で2割減少。トランプ政権が昨年3月、鉄鋼に25%の追加関税を課した影響が出た可能性がある。(蕎麦谷里志)