国境またぐ巡礼回廊建設も和解進展なし 糸口探るパキスタン、インドは牽制 (2/2ページ)

「カルタールプル回廊」の起工式に合わせて聖地とされる寺院を訪れたシーク教徒ら=2018年11月、パキスタン中部カルタールプル(共同)
「カルタールプル回廊」の起工式に合わせて聖地とされる寺院を訪れたシーク教徒ら=2018年11月、パキスタン中部カルタールプル(共同)【拡大】

 「インドとの関係発展に期待」「軍もインドとの平和を要望」。パキスタン側で回廊の起工式があった昨年11月28日、関係改善に期待を示したカーン氏の発言が翌日のインド紙1面に躍った。

 政府内で意見不一致

 しかし同日、インドのスワラジ外相は「回廊だけでは対話に結びつかない」と牽制(けんせい)した。回廊を両国関係改善の糸口としたくないインドの事情を、外交専門家は「外務省と治安機関は、回廊がテロリストの進入路になるとして建設に慎重だった。首相府が独断で決めた」と説明する。

 インドでは今年5月までに下院選が予定されている。2期目を狙うモディ首相と周辺が選挙対策として慎重論を聞き入れず回廊建設は実現したが、政府内に意見の不一致があるという。

 パキスタン側の起工式は日本メディアも招いて盛大に行われた。しかしインド側ではこの2日前に起工式が行われ、あまり報道もされず「パンジャブ地方での出来事」と冷めた見方が広がっている。(イスラマバード、ニューデリー 共同)