インド、牛の「自警団」襲撃事件多発 食肉輸出・農業に打撃 (1/2ページ)

インド北部のウッタル・プラデーシュ州で道路を横切る牛の群れ(ブルームバーグ)
インド北部のウッタル・プラデーシュ州で道路を横切る牛の群れ(ブルームバーグ)【拡大】

 牛を神聖視するヒンズー教が多数派を占めるインドで、牛を保護する「自警団」を名乗る過激派による襲撃事件が多発している。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)の報告書によると、過去ほぼ3年半(2015年5月~18年12月)で自警団の襲撃により少なくとも44人が殺害された。

 HRWが2月に発表した報告書によると、殺害された44人のうち36人はイスラム教徒だった。同期間の自警団の襲撃事件は100件以上に上り、約280人が負傷した。

 HRWの見方では、モディ首相率いるヒンズー教至上主義の与党・インド人民党(BJP)が進める牛保護政策で勢い付いた自警団の活動が激化している。HRWはインドの市民社会グループやメディアなどがまとめたデータを引用し、モディ政権発足以前の12~15年の牛関連の襲撃事件で殺人に発展するケースはなかったと指摘する。

 モディ首相は牛の保護を理由にした殺人について「牛を名目に人を殺してはならない」と訴えているものの、インドでは牛肉の消費が疑われるイスラム教徒などをターゲットとした殺人事件が続いている。ウッタル・プラデーシュ州では昨年12月、牛が殺されたことに抗議するヒンズー教徒が暴徒化し、これに対抗した警察官が殺害された。

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