前FRB議長、「現代金融理論」に否定的 新たに批判の輪に加わる

イエレン前FRB議長はMMTに否定的な見解を示す(AP)
イエレン前FRB議長はMMTに否定的な見解を示す(AP)【拡大】

 イエレン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、「現代金融理論(MMT)」の提唱者は何がインフレを引き起こすのか「混乱」していると述べ、MMTを支持しない立場を明らかにした。イエレン氏は、クレディ・スイスが香港で主催したアジア投資家会議で、「中央銀行が国債を買うことができるのだから、利払いを心配する必要はない」とするMMTの提唱者に異議を表明。「それは超インフレを招くものであり、非常に誤った理論だ」と語った。

 MMTをめぐっては、米資産家ウォーレン・バフェット氏やサマーズ元財務長官といった著名な論客が反対を表明しており、イエレン氏は新たに批判の輪に加わった形だ。

 イエレン氏の香港でのその他の発言は次の通り。

 ・利回り曲線の長短逆転は極めて容易に生じるものであり、それだけでは米国にリセッション(景気後退)が差し迫っていることを示唆するものではない。ただ、米金融当局がある時点で利下げしなければならないかもしれないシグナルであるとも考えられる。

 ・今後しばらくは、中銀が金融危機に適切に対応するための手段を簡単に入手できないことを心配する必要があるだろう。

 ・欧米の労働者は賃金や生活水準の伸び悩みをグローバル化のせいにしており、ポピュリズム(大衆迎合主義)は大きな不確実性の源泉だ。

 ・社債やレバレッジド・ローンの集積も心配している。一部のレバレッジド・ローンの引き受けは低調だ。

 ・米金融当局によるバランスシート縮小は円滑に進んでいる。当局は今後しばらくの間、非常に大きなバランスシートの下で政策運営を行うことになるだろう。(ブルームバーグ Enda Curran)