職務怠慢招く不動産ブーム 所有物件チェックで私用対応傾向

北京市内の高層マンション群(ブルームバーグ)
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 不動産ブームになると、持ち家や物件を所有する従業員は仕事に上の空となる可能性があるとの調査報告をシンガポール国立大学(NUS)ビジネススクールがまとめた。オンラインショッピングに時間を費やしたり、遅刻や早退が増えるという。

 中国3都市とクレジットカード情報に関するデータを基に同大が行った調査によれば、不動産価格の月5%上昇で、職務怠慢が8%増えた。勤務時間中に私用対応する「傾向の高まり」は持ち家のある従業員の6割程度に見られ、特に複数の不動産物件を所有する従業員に顕著だったという。

 NUSビジネススクールのウェンラン・チアン准教授はシンガポール紙サンデー・タイムズへの寄稿で、「住宅価格が急騰すると、住宅所有者は富が大きく転がり込んでくる恩恵にあずかる」と指摘。「つまり、保有不動産の価値が急激に上がるのを目にする住宅所有者は、仕事で努力することへの報いがあまり感じられなくなる」と結論付けた。こうした影響は賃貸住宅に住む人には認められなかったという。

 調査はシンガポールと中国の学術関係者が共同で行い、中国の商業銀行1行が提供した20万人のクレジットカード取引データ900万件を分析。地価の上昇が著しい上海と浙江省杭州、福建省アモイに焦点を絞って行われたこの調査で、どこの銀行かは特定されていない。(ブルームバーグ David Yong)