5G iPhoneに追い風 クアルコムに一時金、特許紛争全面和解 (1/2ページ)

今年1月、米ラスベガスで開催された世界最大の家電見本市「CES」に設けられたクアルコムのブース(AP)
今年1月、米ラスベガスで開催された世界最大の家電見本市「CES」に設けられたクアルコムのブース(AP)【拡大】

 米アップルとクアルコムは16日、特許紛争の全面和解を発表した。両社は巨額の技術ライセンス料の支払いなどをめぐり、2年前から訴訟合戦を繰り広げてきた。次世代通信規格「5G」への対応に苦慮するアップルが、世界の5G開発を主導するクアルコムに折れる形で係争に終止符を打った。

 半導体の供給契約

 世界のスマートフォン大手が次世代通信規格「5G」に向かう中、アップルの最大のライバルである韓国サムスン電子は既にクアルコム製半導体を用いた5G対応スマホを発売している。アップルは現行4Gのスマホ「iPhone(アイフォーン)」に米インテル製や自社製の半導体を採用しているものの、出遅れた5G対応をめぐってはクアルコムからの調達を再開する必要に迫られていた。クアルコムは来年にはアップデート版5Gモデムを供給できる見通しで、今回の特許紛争の全面合意によってアイフォーンの5G対応は前進する。

 ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブス氏は「両社の訴訟合戦は泥仕合になると懸念されていたが、アップルは5Gと技術ライセンスの問題を考え、和解が最善だと理解したものとみている。両社とも訴訟は和解よりも失うものが多い」と説明した。

 発表資料によれば、アップルはクアルコムに一時金を支払うほか、両社は複数年にわたる半導体供給・ライセンス契約を結んだ。契約は4月1日に発効し、アップルはクアルコムに特許使用料を支払う。世界各地で繰り広げられてきた両社間の訴訟は全て取り下げられるという。一時金や特許使用料などの金額は明らかにされていない。

 インテル、モデム撤退

 クアルコム製モデムの供給契約により、アップルはスマホ技術で後れを取らずに済む見込みだ。アップルに現在モデムを供給しているインテルは、来年までスマホ向け5G半導体を投入できない見通しだった。

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