海外情勢

威力陰る中国人団体の海外ツアー 個人客増も政治目的の効果は上がらず (1/3ページ)

 「中国・ニュージーランド(NZ)観光年」と銘打たれた今年だが、中国共産党系の新聞、環球時報は中国人観光客がNZへの旅行計画を考え直していると報じた。華為技術(ファーウェイ)が供給する第5世代(5G)移動通信システムをNZの電話会社が使うことを禁止するとの方針をNZ側が打ち出したためだ。

 韓国・パラオが打撃

 「その国がどれほど温かく観光客を歓迎するかが中国国民の旅行先選択に影響を与える可能性がある」と中国国有のツアー旅行会社、中青旅(チャイナCYTSツアーズ・ホールディング)の幹部は説明するが、こけ脅しではない。中国人観光客の急減でパラオや韓国などは実際に大きな打撃を受けたことがあり、政治の主張のためには国民の旅行先を別の国に誘導するのもいとわないのが中国政府だ。ただ、この「公然の秘密兵器」ともいうべき常套(じょうとう)手段の効果が今後長続きしそうにないことは、NZをはじめとする観光立国にとっては良いニュースだ。

 海外旅行を楽しむ中国人は今、何十年にもわたる渡航制限を中国政府が緩和し始めた1980年代前半生まれが中心。渡航可能な地域は当初、香港や東南アジアなどに限られていた。中国側が関係回復を目指すという政治目的でこうした地域が選ばれたのは明らかだった。

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