海外情勢

モナコ、5Gの実験場に ファーウェイに協力、欧州議会「深い懸念」 (1/2ページ)

 中国をめぐる欧州の混乱を理解するには、モナコを見ればよい。カジノで有名なタックスヘイブン(租税回避地)である公国が共産主義国家である中国に協力する。レーニンが生きていたらあり得ないと慌てふためくような連携だ。面積わずか2平方キロメートルの小国が、中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の第5世代(5G)移動通信ネットワークの実験場になる。

欧州のショールーム

 「スマートネーション」化を目指すこうしたモナコの試みを、中国が喜ばないはずはない。欧州の中心にショールームを確保できるのだ。中国の習近平国家主席は3月の欧州歴訪で、イタリアとフランスに加え、モナコも訪れた。

 モナコで習主席は温かく迎えられた。その歓迎ぶりは、欧州中核国の一角が示している対応とは対照的だ。華為と同社のセキュリティーの中国政府とのつながりを欧州連合(EU)は「心配」すべきだと欧州委員会は指摘。5Gのサイバーセキュリティーリスクに関する情報の交換をEU加盟国がするよう欧州委が望んでいるとブルームバーグ・ニュースは伝えた。

 欧州議会も、通信機器に仕込まれ得るデータの抜け穴「バックドア」が慎重な扱いを要するネットワークに組み入れられる可能性について「深い懸念」を表明。フランスの国民議会(下院)は4月、「反ファーウェイ」法案とも称される通信機器検査に関する提案を検討する。ドイツはもっと控えめな対応だが、安全保障について懸念していることに変わりはない。

 欧州の政治家が警戒感を強める中で、通信各社も華為との関係の検証を進めるが、一貫性はない。英BTグループが一部の華為製品を排除する方針を示したことに続き、仏オランジュは5Gに華為の技術を使わないことを明らかにした。ただ、欧州における華為をめぐる矛盾を端的に示しているのが通信業界の大物で資産家のグザビエ・ニール氏だ。同氏がフランスで展開するモバイルサービス、フリーは他の仏通信事業者に倣い華為と距離を置き続けているが、同氏が過半数を所有するモナコテレコムはモナコでの5G通信網で華為に協力する。

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