海外情勢

貧困やテロの増長も、水不足がインドとパキスタンの新たな紛争の火種に (1/3ページ)

 パキスタンの金融中心地、カラチのスラム街では女性や子供が毎日、水を求めて何キロも歩き回る。これは同国中の都市で目にする日常だ。政府の調査によると、家庭に飲料水が引かれていない国民は全体の約4分3に上り、国全体で7割の水が汚染されている。

 深刻化する水不足は、71年間で3度の戦争を経験したインド、パキスタン間の新たな紛争の火種となる可能性がある。両国は1960年代、河川の水資源を共同管理することを定めたインダス水協定を世界銀行の仲介で締結。だが、互いに相手国が協定を違反したとの批判を繰り返している。

 最近では、インドがチェナブ川沿いに建設を進める水力発電所に対し、パキスタン側が同国の水供給に影響を与え、協定に違反すると反発。パキスタンのカーン首相は今年1月、現地に調査団を派遣した。一方、インドのモディ首相は建設続行を譲らず、解決の糸口は見えていない。

 インダス川協定危機

 米研究機関ウッドロー・ウィルソン・センターの東南アジア担当シニアアソシエート、マイケル・クーゲルマン氏は、「水問題で緊張が高まっているのは明らかだ。水資源を原因とする紛争をこれまで食い止めてきたインダス水協定が、最大の試練を迎えている。核保有国である両国の関係が悪化すれば、東南アジアや世界全体の治安にも飛び火しかねない」と警鐘を鳴らす。

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