海外情勢

強まる年内米利下げ観測 市場は最大3回の可能性示唆

 米中通商摩擦や経済をめぐり懸念が広がる中、米金融当局が年内に0.25%の利下げに踏み切るとの見通しがトレーダーの間で強まっている。追加利下げがあるとの見方も台頭しつつある。

 主要政策金利の操作対象であるフェデラルファンド(FF)金利先物2020年1月限は、FF金利が19年末までに2.075%に低下することを示唆している。この水準は10日時点の実効FF金利を0.25%余り下回るもので、トレーダーが0.25%の利下げを完全に織り込んでいる状況を示す。同限月のインプライドレートは2.15%で先週の取引を終えた。

 ユーロダラー・オプション市場では13日、年内に最大3回の0.25%利下げの可能性を示唆する動きが見られた。公に話す権限がないとして匿名で語ったシカゴのトレーダーによれば、10月までに0.5~0.75%の引き下げを見込むコール・ストラクチャー・ポジションが現出した。この取引のプレミアムは250万ドル(約2億7400万円)前後となった様子だ。

 こうした展開の背景には、中国が米国からの一部輸入品に対して報復関税措置を打ち出し、トランプ米大統領との貿易戦争を激化させたことがある。米中対立は経済成長をめぐる懸念を招き、米イールドカーブ(利回り曲線)の重要な部分で再び長短逆転を生じさせることになった。

 シカゴの先物オプションブローカー、アンブロシノ・ブラザーズのシニアバイスプレジデント、トッド・コルビン氏は「米中通商対立の余波が米金融当局の見通しに影響するのは確か」だが、「マクロの動きの部分が大きいと考える」と指摘。「金融当局が政策変更を考えるかどうかではなく、世界的な成長懸念ないし市場のボラティリティー(変動性)の高まりに関するものだろう」との見方を示した。(ブルームバーグ Alexandra Harris、Edward Bolingbroke)

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