海外情勢

「一帯一路」拡大で中国埋没 国際的銀行関与、受注競争も激化 (1/2ページ)

 中国の習近平国家主席が進める巨大経済圏構想「一帯一路」へのイタリアの参加により、他の主要7カ国(G7)メンバーは中国の勢力拡大に対する警戒感を強めた。だが、一帯一路が広がるにつれ、中国の存在感が薄れていくことになる。

ドル供給に限界

 一帯一路の資金調達で今、極めて大きな役割を担っているのが中国の国家開発銀行や中国輸出入銀行といった政策銀行だ。400億ドル(約4兆3828億円)規模の国家ファンド「シルクロード基金」と中国主導で設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)も貢献している。

 近く世界的な銀行もこれに加わる可能性がある。スタンダードチャータードは一帯一路のプロジェクトに今後数年で最大200億ドルを割り当てる計画を明らかにした。

 それでもナイロビやロッテルダムなど世界各地の都市と中国を結ぶという野心的な大事業が必要としている1兆ドルと比べれば、ほんのわずかな額だ。今後はグローバル展開している競争相手の参加がさらに増えるだろう。

 世界の建設業界で通用する通貨はドルであり、中国政府がドルを無制限に供給することはできない。中国の国内経済が鈍化し、経常収支も赤字に向かう中で、資金の流れはかつてほど自由ではない。

 ベーカーマッケンジーのプロジェクトグループでアジア太平洋責任者を務めるマーティン・デービッド氏は、国際的な銀行による一帯一路への関与拡大が不可避だと分析する。「中国の銀行マネーは無限ではない」からだ。

 一帯一路の資金調達ネットワークが拡大すれば、中国の銀行のみならず建設会社もまた競争激化に直面し、これまでなら保証されていた受注を失うかもしれない。海外事業で現地の労働力を使わず、本国から作業員を連れてくる傾向のある中国企業に対し、欧州連合(EU)欧州委員会のユンケル委員長は「工事現場に中国人労働者だけでなく欧州の働き手もいる限り」中国のプロジェクトに反対しないと条件を突き付けた。

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