論風

膨張続ける財政赤字 「無利子100年国債」発行を (1/2ページ)

 日本の国家予算は最大項目の社会保障関係費と国債費だけで、6割近くを占める。社会の高齢化と過去の赤字予算のツケだ。前者の社会保障費の増大は、今後も避けられない。また国債費は予算の23~24%を占めるが、今までのような累積債務に対する弥縫(びほう)策では増加する一方だ。(早稲田大学名誉教授・田村正勝)

GDPの2.4倍に

 国の累積赤字は2018年度末で1151.4兆円、これに政府保証債を加えると1190.1兆円で国内総生産(GDP)の2.3倍。国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しでは、イタリアが1.3倍、米国は1.1倍、日本は2.4倍と最悪である。

 政府は各年度の予算の中の国債費を除いた歳出を、その年の歳入で賄うプライマリーバランス(基礎的財政収支)の均衡を、20年度までに実現すると表明してきた。

 しかし、これは不可能となり、今後も何年かかるか見通せない。またこれが実現できても、当分は20兆円以上の国債費を免れない。他方で金利が1%上昇するだけで、たとえば19年度の国債費の中の利払い費は1兆円以上も増加する。

欧州に前例

 フランスは1952年と58年に戦費調達目的で「ピネー国債」という無利子国債を発行した。英国は1751年に初めて「永久国債(コンソル公債)」を発行したが、これは利子を払うが、元金は返済しない国債で、第一次世界大戦以前には、英国の国債の大部分を占めた。

 日本の財務省もこれらを研究し、累積債務を償却する方策を採用すべきだ。景気悪化を危惧した穴だらけの「消費税率アップ」ではらちが明かない。しかも特に大企業に有利な法人税率引き下げの“あべこべノミクス”である。

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